経営全般

店舗開業の流れ| 物件探しから開店までの8ステップとスケジュール・費用の目安

店舗を開業するには、コンセプトの設計から物件探し、テナント契約、内装工事、届出、開店準備まで、多くのステップを限られたスケジュールで進める必要があります。全体のスケジュールを左右するのは「テナント契約のタイミング」です。物件が決まらなければ資金調達の具体的な金額も確定せず、内装工事にも着手できません。本記事では、店舗開業の流れを8ステップに整理し、各ステップのやるべきこと、所要期間、費用の目安を解説します。

1. 店舗開業の全体スケジュール

時期ステップ主なやること
開業12〜6ヶ月前STEP 1〜3コンセプト設計、事業計画書の作成、物件探し・テナント契約
開業6〜3ヶ月前STEP 4〜5資金調達、内装設計・工事着工
開業3〜1ヶ月前STEP 6〜7届出・許認可の取得、スタッフ採用・教育
開業1ヶ月前〜当日STEP 8仕入れ・備品準備、集客準備、プレオープン、グランドオープン

💡 スケジュール全体を左右するのは「テナント契約のタイミング」

物件が決まらなければ、資金調達の申請額も確定しませんし、内装工事の設計にも着手できません。逆に言えば、物件さえ決まればその後のステップは並行して進められます。開業の6ヶ月前までにテナント契約を完了することを目標にスケジュールを組んでください。

2. 8ステップの詳細解説

1)コンセプトの設計

時期:開業12〜9ヶ月前 | 期間:1〜3ヶ月

「誰に・何を・どこで・いくらで提供するか」を決めます。コンセプトが明確でなければ、物件選びの基準も定まりません。ターゲット顧客の設定、商品・サービスの差別化ポイント、価格帯、営業時間を言語化してください。この段階でエリアの候補も絞り込みます。

2)事業計画書の作成

時期:開業9〜6ヶ月前 | 期間:1〜2ヶ月

コンセプトを数字に落とし込みます。売上予測(客単価×客数×営業日数)、原価率、人件費率、家賃比率を設定し、月次の損益シミュレーションを作成します。事業計画書は融資の申請時にも必要になるため、この段階で完成させておきます。

3)物件探し・テナント契約

時期:開業9〜6ヶ月前 | 期間:1〜3ヶ月 | ★最重要ステップ

不動産ポータルサイトでの検索、テナント仲介会社への依頼、現地の内見を行い、物件を決定します。内見では、前テナントの退去理由、空室期間、設備の状態、周辺の人通りを確認してください。物件が決まったら、入居申込→入居審査→契約締結の流れで進みます。テナント契約のポイントは、賃料の坪単価が相場と比較して適正かどうか、保証金の金額と償却条件、原状回復の範囲、契約期間と中途解約条件の4点です。

4)資金調達

時期:開業6〜4ヶ月前 | 期間:1〜2ヶ月

物件が決まったら、テナント契約の初期費用+内装工事費+設備費+運転資金の総額を算出し、自己資金との差額を融資で調達します。主な調達先は日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や民間金融機関の創業融資です。自治体の創業補助金・助成金も併せて調査してください。融資の審査には通常1〜2ヶ月かかるため、物件契約と並行して申請の準備を進めておくのが理想です。

5)内装設計・工事

時期:開業5〜2ヶ月前 | 期間:2〜3ヶ月

内装デザインの設計→施工業者の選定→見積もり→工事着工→完了検査の流れです。施工業者は最低3社から相見積もりを取ってください。居抜き物件であれば前テナントの内装を活用することで工期・費用を大幅に削減できます。スケルトン物件の場合は工事期間が2〜3ヶ月かかることを見込んでスケジュールを組みます。

6)届出・許認可の取得

時期:開業3〜1ヶ月前 | 期間:並行して進める

業種に応じて必要な届出・許認可を取得します。飲食店であれば保健所の「飲食店営業許可」と消防署への「防火対象物使用開始届」は必須です。加えて、税務署への「開業届」(個人)または「法人設立届出書」(法人)を提出します。深夜にお酒を提供する場合は警察署への「深夜酒類提供飲食店営業開始届」も必要です。許認可の申請は内装工事の着工前に保健所と相談しておくとスムーズです。

7)スタッフ採用・教育

時期:開業2〜1ヶ月前 | 期間:1〜2ヶ月

求人サイトやSNSでスタッフを募集し、採用・教育を行います。飲食店であれば「食品衛生責任者」の資格取得(1日講習)も必要です。開店前に接客・調理・レジ操作のトレーニングを完了させるため、開業の1ヶ月前までには採用を終えておくのが理想です。

8)仕入れ・集客準備・プレオープン・開店

時期:開業1ヶ月前〜当日

商品の仕入れルートを確保し、初回仕入れを実施。並行してSNSアカウントの開設、チラシの配布、ウェブサイトの公開などの集客準備を行います。開店の1〜2週間前にプレオープン(関係者向けの試営業)を実施し、オペレーションの最終確認をしてからグランドオープンに臨みます。

3. 開業費用の全体像

費目費用の目安補足
テナント契約の初期費用(保証金+礼金+仲介手数料+前家賃)賃料の12〜18ヶ月分賃料20万円の物件であれば240万〜360万円。保証金の金額が最も大きい。
内装工事費スケルトン:坪20〜50万円居抜き:坪5〜15万円20坪の飲食店の場合、スケルトン400万〜1,000万円、居抜き100万〜300万円。
設備・什器・備品100万〜500万円業種による差が大きい。飲食店は厨房機器が高額になりやすい。
運転資金月間固定費の3〜6ヶ月分開業直後は売上が安定しないため、最低3ヶ月分の運転資金を確保しておく。
広告宣伝費20万〜100万円看板、チラシ、SNS広告、ウェブサイト制作など。

⚠ テナント契約の初期費用は「税込み」で計算する

事業用テナントの礼金・賃料・共益費・仲介手数料には消費税(10%)が課税されます。賃料20万円の物件で礼金2ヶ月分の場合、礼金の税込み支払額は44万円(40万円+消費税4万円)です。初期費用全体で見ると消費税だけで数十万円の差が出るため、必ず税込みの金額で資金計画を立ててください。

4. 開業を成功させる3つのポイント

ポイント①:物件探しは「コンセプトが固まってから」始める

物件情報を見てから事業計画を考えるのは順序が逆です。コンセプトと事業計画が先にあり、「この条件に合う物件を探す」という順序で進めてください。コンセプトが曖昧なまま物件を決めてしまうと、立地と業態のミスマッチが起き、開業後の集客に苦戦します。

ポイント②:物件契約と資金調達は「並行して進める」

良い物件は他の出店希望者にも見られています。物件が見つかってから融資の申請を始めると、審査に1〜2ヶ月かかる間に物件が埋まってしまうリスクがあります。事業計画書を先に完成させておき、物件が決まったら即座に融資の申請に入れる状態を作っておくのが理想です。

ポイント③:テナント仲介会社を「開業パートナー」として活用する

テナント仲介会社は物件を紹介するだけではなく、賃料の適正診断、保証金の交渉、契約条件の確認、居抜き物件の状態チェックなど、テナント契約のあらゆる局面でサポートできます。特に初めての出店では、契約書の見落としが開業後のトラブルにつながるため、仲介のプロに契約内容を確認してもらうことを強く推奨します。

💡 クラスラ不動産は「物件探しから契約まで」を一貫サポート

クラスラ不動産は「テナントの窓口」フランチャイズとして全国30拠点超のネットワークを持つテナント仲介会社です。物件の紹介、賃料の適正診断、保証金の交渉、契約書のチェック、居抜き物件の状態確認まで、テナント契約に関するすべてをワンストップでサポートします。開業をお考えの方は、まず物件のご相談からお気軽にどうぞ。

5. まとめ|物件探しは開業の半年前から始める

店舗開業の流れは、コンセプト設計→事業計画→物件探し→テナント契約→資金調達→内装工事→届出→開店の8ステップです。全体のスケジュールを左右するのは「テナント契約のタイミング」であり、物件が決まらなければ後続のすべてのステップが止まります。

開業の目標日から逆算して、半年前までにテナント契約を完了できるよう、早めに物件探しを始めてください。物件探しの段階からテナント仲介会社に相談することで、物件の選定から契約条件の交渉まで、効率的に進めることができます。

この記事の監修者

宮﨑 俊太(宅建士)

宮﨑 俊太(宅建士)

医療・看護施設の開業支援業を経て、2025年に宅地建物取引士を取得しクラスラ不動産を開業。
全国30拠点超のネットワーク「テナントの窓口」フランチャイズ加盟。全国チェーンのリーシングから、地場企業の多店舗展開まで、テナント出店に特化したご支援を行っています。
(株式会社CAMPWILL 代表取締役)

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