経営全般

甲府市の出店おすすめエリア| 7つの商業ゾーン別に立地特性・賃料・適した業態を解説

甲府市は人口約18万人の山梨県の県庁所在地です。商業の中心はJR甲府駅周辺から郊外のロードサイドに広がっており、出店エリアの選定を誤ると「人が通らない」「車が入りにくい」といった立地起因の失敗につながります。本記事では、甲府市を7つの商業ゾーンに分け、各ゾーンの立地特性、テナント坪単価の目安、適した業態を地元のテナント仲介会社の視点で解説します。甲府への出店を検討する全国チェーンや、2号店以降の展開を考える地場企業の物件選びにお役立てください。

1. 甲府市の商圏構造|7つの商業ゾーン

甲府市の商業エリアは、大きく「甲府駅前の中心街」と「郊外のロードサイド」に分かれます。甲府駅前は県庁・市役所・ビジネスホテルが集まる行政・ビジネスの中心ですが、商業の重心は甲府駅から南西に広がる郊外ロードサイドに移っています。特に国道20号(甲州街道)沿い、国道52号沿い、県道沿いの幹線道路に大型チェーンが集積しています。

甲府市の商業構造を理解するには、以下の7つの商業ゾーンで捉えるのが効果的です。各ゾーンは立地特性、客層、賃料水準が大きく異なるため、自社の業態に合ったゾーンを選ぶことが出店成功の前提条件です。

2. 各ゾーンの詳細ガイド

駅前|① 甲府駅前・中心市街地ゾーン

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
1万〜1.5万円通勤者・ビジネス・学生ビルイン路面店不要〜少数でも可

JR甲府駅南口から平和通り・かすがも〜るにかけての徒歩圏エリア。県庁、市役所、甲府地方裁判所が集まり、平日昼間はビジネスパーソンの人通りがあります。夜は居酒屋・バーの需要が一定あるものの、駅前商業の空洞化が進んでおり、空きテナントも散見されます。甲府市の中心市街地空き店舗活用事業補助金の対象エリアで、内装工事費や家賃の一部助成が受けられる場合があります。

向いている業態は居酒屋、ダイニングバー、カフェ、美容室、クリニック。駐車場がなくても成立する業態に限定されます。

注目|② 国道20号沿い(甲府バイパス)ゾーン

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
6千〜1.2万円ファミリー・車通勤者ロードサイド独立店舗必須(20台以上)

甲府市を東西に貫く国道20号(甲府バイパス)沿いは、甲府市で最も交通量が多いロードサイドエリアです。飲食チェーン(ファミレス、回転寿司、焼肉、牛丼等)、ドラッグストア、家電量販店が集積し、甲府市のロードサイド商業の中核を成しています。全国チェーンが甲府市に初出店する場合、最も検討されやすいエリアです。

交通量が多い分、競合も密集しているため、同業態の既存店舗との位置関係を慎重に確認してください。また、バイパスの一部には中央分離帯がある区間があるため、物件ごとに右折入庫の可否を現地で確認する必要があります。

注目|③ 上石田・徳行エリア(市西部)

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
5千〜1万円ファミリー・住宅地住民ロードサイド・生活幹線沿い必須(15台以上)

甲府市西部の上石田・徳行周辺は、住宅密度が高く、スーパー(いちやまマート等)を核とした生活圏型の商業集積があるエリアです。国道20号のバイパスよりやや南側に位置し、交通量は幹線道路ほど多くないものの、周辺住民の日常利用動線上にあるため安定した集客が見込めます。近年、カフェや飲食チェーンの新規出店が増加傾向にあり、注目度が上がっています。

住宅地が近い分、夜間の騒音規制や営業時間の制限に注意が必要です。飲食店、カフェ、ベーカリー、学習塾、クリニックに適したエリアです。

堅実|④ 国道52号沿い(南北軸)ゾーン

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
5千〜9千円車通勤者・ファミリーロードサイド必須(20台以上)

甲府市から南アルプス市・身延町方面へ抜ける国道52号沿い。交通量は国道20号ほどではないものの、南北を結ぶ動脈として一定の流量があり、ロードサイド店舗が点在しています。賃料水準は甲府市内のロードサイドとしてはやや控えめで、出店コストを抑えたい企業に向いています。

ドラッグストア、コンビニ、ラーメン・うどんチェーンなど、日常利用型の業態が成立しやすいエリアです。

堅実|⑤ 大里・国母エリア(市南部)

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
4千〜8千円住宅地住民・通勤者ロードサイド・住宅地内路面店必須(10台以上)

甲府市南部の大里町・国母エリアは、住宅密度が高く、子育て世帯が多いエリアです。JR身延線の国母駅・甲斐住吉駅があるものの、乗降客数は少なく、来店手段は車が中心です。甲斐市・昭和町との境界に近く、イオンモール甲府昭和の商圏ともつながっています。

坪単価は甲府市内では低めの水準で、出店コストを抑えながら住宅地密着型の集客ができるエリアです。学習塾、整骨院、美容室、カフェ、個人飲食店に向いています。

穴場|⑥ 荒川・貢川エリア(市北西部)

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
4千〜7千円住宅地住民生活道路沿い・住宅地内必須(10台以上)

甲府市北西部の荒川・貢川エリアは、山梨県立美術館・芸術の森公園に近い閑静な住宅地です。幹線道路からは外れますが、住宅密度は高く、地域住民の日常利用をターゲットにした業態が成立します。賃料水準は甲府市内で最も低いゾーンの一つで、初期投資を抑えた出店が可能です。

地域密着型の飲食店、パン屋、サロン、整体院など、リピーター重視の業態に適しています。

注目|⑦ 甲府駅北口・武田通りゾーン

坪単価主な客層物件タイプ駐車場
6千〜1万円山梨大学生・観光客ビルイン路面店・ロードサイドあれば有利

甲府駅北口から武田神社(武田通り)方面のエリア。山梨大学のキャンパスがあるため学生の通行量があり、武田神社への観光動線上にも位置します。近年、甲府駅北口の再開発が進み、ヨドバシカメラの出店も話題になりました。南口と比較して空きテナントが少なく、やや賃料が上がる傾向にあります。

学生向けの飲食店(ラーメン、カフェ、居酒屋)や、観光客向けのお土産・物販に適したエリアです。

3. 業態別おすすめエリア早見表

業態第1候補第2候補理由
ファミレス・回転寿司②国道20号沿い④国道52号沿い交通量が多く、ファミリー需要を幅広く取り込める。駐車場30台以上必須。
ラーメン・うどんチェーン②国道20号沿い③上石田・徳行ランチ特化で回転率勝負。駐車場は15〜20台で可。
カフェ・ベーカリー③上石田・徳行⑦甲府駅北口住宅地密着型はリピーター狙い。駅北口は学生+観光客。
居酒屋・バー①甲府駅前⑦甲府駅北口公共交通利用者の飲食需要。駐車場不要。
ドラッグストア②国道20号沿い⑤大里・国母生活動線上の幹線道路沿い。住宅地近接が有利。
美容室・サロン③上石田・徳行⑤大里・国母住宅地に近く、固定客を獲得しやすい。賃料も抑えめ。
学習塾⑤大里・国母③上石田・徳行子育て世帯が多い住宅地。中学校区の生徒数を確認。
クリニック・歯科③上石田・徳行⑤大里・国母住宅密度が高く、周辺に医療モール候補地がある場合も。
フィットネス・ジム②国道20号沿い③上石田・徳行夕方〜夜の利用が中心。駐車場30台以上と広い物件が必要。

4. 甲府市出店で活用できる補助金

甲府市は中心市街地の空き店舗解消を目的とした補助金制度を設けています。

甲府市中心市街地空き店舗活用事業補助金

中心市街地活性化基本計画で定められた区域内の空き店舗に新規出店する場合、内装・設備工事費の一部(上限50万円)および店舗賃借料の一部(月額上限5万円、最長12ヶ月)が助成されます。対象は小売業、飲食業、サービス業等で、週4日以上の営業を行う事業者です。中心市街地への出店を検討する場合は、甲府市の担当窓口に最新の要件を確認してください。

また、商店街との連携による「オーナーパートナーシップ物件」に出店する場合は、補助上限額が拡大される場合があります。中心市街地での出店を検討する際は、補助金の活用も選択肢に入れてください。

5. まとめ|甲府市への出店は「ゾーンの見極め」で決まる

甲府市は人口約18万人とコンパクトな都市ですが、エリアによって商業特性が大きく異なります。甲府駅前は夜間飲食の需要がある一方で昼間の商業は空洞化。郊外のロードサイドは車社会を前提とした大型チェーンの主戦場。住宅地エリアは地域密着型のサービス業に適しています。

自社の業態に合ったゾーンを選ぶことが出店成功の前提条件です。その上で、ゾーン内の個別物件について、交通量、視認性、駐車場の台数と動線、競合の有無を確認し、物件レベルの判断を行ってください。

甲府市の物件情報は大手ポータルサイトに掲載されない非公開物件が多く、地元の地主ネットワークを通じた情報が鍵になります。甲府市に本社を構えるクラスラ不動産は、各ゾーンの物件動向をリアルタイムで把握しています。甲府市への出店をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

宮﨑 俊太(宅建士)

宮﨑 俊太(宅建士)

医療・看護施設の開業支援業を経て、2025年に宅地建物取引士を取得しクラスラ不動産を開業。
全国30拠点超のネットワーク「テナントの窓口」フランチャイズ加盟。全国チェーンのリーシングから、地場企業の多店舗展開まで、テナント出店に特化したご支援を行っています。
(株式会社CAMPWILL 代表取締役)

出店・テナント物件について相談する(無料)

LINEで手軽に
質問相談できます
LINE

お問い合わせ